多くの医師にとって、働きやすい環境、働きやすい病院とはいったいどのような状態の環境、病院を指すのでしょうか。そのためには、実は4つの大事なポイントを押さえておく必要があるそうです。今回は、その「より良い職場環境をさがす医師が注目すべき4つのポイント」をまとめてみました。
まず、一番大事なポイントになるのが、トップのコミットメントなんだそうです。つまり、経営者がどれだけ就労環境の改善に積極的か、どれだけ本気なのかというところですね。就労環境というものは、良くも悪くも経営者ひとりの意識や行動でがらりと変わってしまうものなので、その病院におけるトップがどれだけ、医師にとって働きやすい環境を整えることに積極的であるか、関わっているか、ということが最重要ポイントであるといっても過言ではないでしょう。
ここでいうハード面とは、就業規則や制度のことを指します。産休や育休などといった制度面は、一見きちんと揃っていても、それがきちんと運用されているかどうかまでは、なかなか分からないのが現実です。なので「制度があるかどうか」ということよりも「実績があるか」ということが重要なのです。
ソフト面にはいろいろな要素があるかと思いますが、なかでも大事なのは、助け合いの精神、おたがいを気遣うような姿勢が病院スタッフの人たちにあるかどうかというところだ、と言います。例えば、子育て中の医師のための短時間勤務制度があったとしても、「子どもがいるんだから、早く帰らせてもらって当たり前」という考えの人が多いと、うまくいかなくなるでしょう。まわりを見ながら「17時に帰れるようにしてもらっている分、他の先生が忙しいときに外来での新患対応を積極的にやろう」とか、そういう関係性や風土のあるところは非常にうまくいくそうです。
職場環境改善のためのPDCAサイクルを回していくためには、トップから現場へと、さらに、現場からトップへの意思疎通がどれだけできているかがポイントになるそうです。せっかく、院長が働きやすい環境づくりを考えて様々な取り組みをしていても、現場の職員がそれについて知らず、空回りしてしまっていることも多々あります。そのため、院長は取り組みやその意図を末端にいるスタッフまで伝えることに苦心しているようです。